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どういう場合に離婚できますか? | 法友全期会|若手弁護士の「部」を越えた連合体

法律・事例解説EXPLANATION

離婚の事例

どういう場合に離婚できますか?

公開日:2016年07月21日(木)

夫婦が離婚に至る原因は、様々なものがあります。夫婦双方に法律上の婚姻関係を解消する意思があれば、離婚届の提出により、離婚をすることができます(最判昭和38年11月28日、最判昭和57年3月26日)。 夫婦間の話合いで離婚ができない場合には、法的手続によることになります。その際には、法律上の要件が必要となります(民法770条1項各号)。 ただし、未成年の子がいる場合には、離婚後の子の親権者を定めなければならず(民法766条1項)、親権の帰属が決まらなければ、協議によっても法的手続によっても離婚をすることはできません。

離婚をしようとする場合、どのような手続になりますか。

離婚の手続には、①協議離婚(民法763条)、②調停離婚(家事事件手続法244条、同268条)、③審判離婚(家事事件手続法284条)、④裁判離婚(民法770条)があります。まずは、①の手続からスタートし、解決しない場合には、②→③→④と手続が進んでいきます。

協議離婚とは何ですか。協議離婚が成立するためには、どのような要件を満たす必要がありますか。

協議離婚とは、夫婦の協議(話合い)による離婚です。離婚の理由も問われません。形式的な要件として、離婚の届出(民法765条、戸籍法76条)が必要です。

調停離婚とは何ですか。調停は、どのように行われるのですか。

調停離婚とは、離婚を求める配偶者が申立人となり、家庭裁判所において、裁判所(調停委員会)による仲介のなかで離婚の話合いをする手続です。調停を行うことができる事件について訴訟を提起しようとする場合には、まず、調停を行うことが必要です(調停前置主義。家事事件手続法257条1項)。離婚の訴訟も、調停を行うことができる事件に該当するため、まずは、調停を行わなければなりません。調停は、裁判官と調停委員2名以上の合計3名以上が調停委員会(家事事件手続法247条、同248条)を構成して、夫婦双方から話を聞き、話合いを進めていきます。

審判離婚とは何ですか。

裁判離婚とは、家庭裁判所において、民法770条1項に列挙されている離婚原因が認められる場合に、裁判所によって離婚を成立させるものです。具体的には、民法で定める離婚事由(①配偶者に不貞行為があったとき、②配偶者から悪意で遺棄されたとき、③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき、④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき)の少なくとも一つ以上に該当する必要があります。

離婚が成立すると、当事者の身分関係、財産関係及び親子関係に影響が出ます。

  • 身分関係
    夫婦関係が終了します。その結果、夫婦間に存在していた義務(同居・協力・扶助義務(民法752条)、婚姻費用分担義務(民法760条))が消滅し、また、氏にも影響が出ます。婚姻により氏を改めた配偶者は、婚姻前の氏に復することになります(民法767条1項)。なお、婚姻中の氏を引き続き称することも可能です。この場合、離婚の日から3か月以内に戸籍法上の届出をする必要があります(民法767条2項、戸籍法77条の2)。
  • 財産関係
    扶助義務ないし婚姻費用分担義務が消滅します。 また、離婚した配偶者同士は、互いに、当然には相続人となりません。
  • 親子関係
    父と子、母と子、という親子関係には影響しません。しかし、子が未成年の場合には、父母どちらか一方を子の親権者に定めなければなりません(民法819条1項、2項)。父母のいずれが親権者になるかは、子の今後の健全な発達育成を中心に考えて決定されます。具体的には、親としての適格性、監護能力、居住環境、教育環境、子に対する愛情、収入、職業、従来の監護状況、子の年齢・性別・発育状況・子の意思・父又は母と各々の親族との結びつきの強さ・環境への適応状況、等が考慮されます。

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