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クラブチームの法人化 | 法友全期会|若手弁護士の「部」を越えた連合体

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クラブチームの法人化

公開日:2016年07月21日(木)

長年、地元の少年サッカーチームの監督をしています。最近、大きな大会で知り合った他のチームの監督から、「チームを法人化した方がいいよ。」とアドバイスされました。チームを法人化すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、どのようにすればチームを法人化することができるのでしょうか。

弁護士からの回答

スポーツチームや少年団などの団体は、原則として法人化、すなわち法人格を取得しない限り、団体自体が権利義務の主体となることができません。 分かりやすい例を挙げると、スポーツチームの名義で預金口座を開設しようとしても、金融機関に断られてしまいます。そのため、多くのスポーツチームでは、代表者や会計担当者が、「◯◯サッカークラブ 会計山田太郎」などという肩書付の預金口座を開設しているのが実情です。
施設や運動器具をレンタルしたり、購入したりする際にも、正式な契約書には代表者個人の署名・押印が必要となります。気をつけなければならないのは、万一、レンタルした施設や器具を破損してしまった場合などには、署名した代表者個人が損害賠償責任を負うことになりますし、購入代金の分割支払が滞った場合には、代表者個人が督促等を受ける可能性があることです。
これに対し、スポーツチームが法人格を取得すれば、チーム自体の名義で預金口座を開設したり、契約を締結したりできます。そのため、代表者や会計担当者が交替した場合も、口座や契約の引き継ぎが容易にできます。損害賠償などの債務を負担する場合にも、チームが債務を負担することになり、代表者個人が支払の責任を負うことはありません(ただし、代表者個人が契約書に保証人として署名した場合には、保証人としての責任を負いますので注意してください)。
また、企業に対してスポンサーや協賛金などの依頼をする場合に、法人格を取得している方が信用されやすいという効果もあるようです。
それでは、どうすればスポーツチームが法人格を取得できるのでしょうか。
法人格を取得するには、①一般社団法人を設立する方法と、②NPO法人を設立する方法の2つがあります。
一般社団法人は、2名以上いれば設立が可能ですし、活動分野や活動内容にも制限がありません。定款の認証や登記費用として15万円前後が必要になりますが、2週間程度の短期間で、比較的容易に法人を設立することが可能です。
これに対し、NPO法人は、10名以上の構成員が必要で、活動目的は公益目的に限られます。11種類の申請書類が必要であるなど設立手続はやや煩雑で、設立までの期間も4か月前後かかります。ただし、設立手続そのものに必要な費用はありません。
必要書類や手続の詳細については、法務局(一般社団法人の場合)や県や政令市の窓口(NPO法人の場合)に相談すれば教えてもらえます。弁護士などの専門家に依頼すれば、書類の作成を始めとして手続の一切を代理してもらうことも可能です。

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